お日さまみたいな温かい君に包まれて
9 ふたりきりの花火大会
○○○



土曜日の朝。


「んーっ! いい天気ー!」



窓を開けて太陽の光を浴び、空気の入れ替えをすると共に眠気を吹っ飛ばす。


今日はいよいよ雪塚さんが泊まりに来る日。


といっても、今日は夜までバイトだから、昼間は会えない。

けど、短時間だけでも一緒に遊べたらいいなと思って、花火を買っておいた。

いつもはバイト仲間達と雑談して帰るんだけど、今日は猛ダッシュで帰ろう。


洗面所で顔を洗い、軽く歯を磨いてリビングへ。



「おはよう……何してんの?」

「おはよう! ちょっと来てくれる?」



母に手招きされ向かうと、ダイニングテーブルの上に大量のチラシが散らばっていた。



「今日葵ちゃん来るじゃない? それで晩ご飯何にしようかなって考えてたの」

「あぁ、そういうこと」



チラシには所々に黒い丸がつけられている。


お寿司とお肉とフルーツと……めちゃめちゃごちそうじゃん。

気合い入りすぎだろ。まだ朝の7時半だぞ。どんだけ雪塚さんのこと好きなんだよ。

親子共々……なんでこうもそっくりなんだ。
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