ONLYYOU~赤ちゃんのパパは脳外科医、愛してはいけない人を愛してしまいました。~
「和寿…」

父のデスクの内線電話を響く。

「院長室だ…どうした?」

父の険しい表情が一気に安堵した表情に変わる。

「分かった…今直ぐに行く…」

父は受話器を戻し、俺に告げた。
「紡君の意識が戻ったようだ…行くぞ…和寿」

「あ、はい…」

術後ずっと意識不明だった紡の意識が回復した。

此処は一時休戦で、紡の元に向かう。

何度も命の危機に瀕しながらも、紡はそれ山を乗り越え、ようやく意識を回復させた。

でも、脳へのダメージは避けられない。

父も俺もそれが気がかりだった。


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