白+紅=蒼
先輩
朝ホームルームが始まる前に美乃から昨日の事を問い詰められる。





「で?白はそんな王子様みたいな先輩に一目惚れしたの?」

私の机の前に座っている美乃が言う。





「ひ、一目惚れではないかな…まぁ格好いいとは思ったし驚いたけど……やっぱり私好きって気持ちがよく分かんないや」

笑いながら言う私の額をぺしっと紅がデコピンする。





「ったく、ちょーーとそばを離れるだけで変な虫がつくんだから…」

何故か顔をしかめている紅





「え?虫がいた?」





額を押さえてキョロキョロと虫を探すが特に見当たらない。





「バカ。真に受けるな」

突っ込む廉





「けどそんな王子様みたいにイケメンな人って居たっけ?」

記憶を辿りながら言う美乃。





「サッカー部キャプテンの相澤昴さんじゃね?」廉





「あーぁ!…あ?でもあの人は3年よね?白の話じゃ2年だって言ってたわよ?」美乃





「2年っていったら……」廉





そして急にハッとしたかと思うと黙る。





すると美乃も紅も心当たりがあるのか三人顔を見合わせた。





「なぁ、俺が考えてる人とお前らが思ってる人って……」廉





「多分一緒だわ」





「俺も」





「え?え?なんでみんな分かるのー?誰?」

一人だけ話についていけない私はじたばたする。





「ねぇ、白。アンタ美浜の貴公子って知ってる?」美乃





「美浜の貴公子?何それ。有名な本?」





?マークを浮かべていると紅が頭を掻きながら溜め息をついた。





「美浜の貴公子ってのは、2年の碓水蒼さんのこと」





「?碓水…蒼?」

名前を繰り返すが全く聞き覚えのない名前だ。





「ちょ、白、マジで知らねーの?」

驚く廉に私は素直に首を縦に下ろす。





「碓水先輩はこの学校で女子生徒人気No.1の先輩よ!告白された回数は1ヶ月で最高50回超えで成績も運動もトップって言う何をさせても完璧な人で有名なのよ!!」





「へ、へぇーー。知らなかった…」

とにかく驚くばかりだった。





「お前会ったことなかったっけ?」紅





「え!?あんなに格好いい先輩は1度会ったら絶対に覚えてるよ!」叫ぶ私





「じゃぁ居ないときだったかな?」紅





「紅?どう言うこと?」私





「蒼さん、バスケ部の先輩なんだよ」
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