黒い森の孤独な魔女は黄金の獅子の夢を見る(プロット)
冒頭部分プロット
第1話

 黒い森に住む魔女のモニークは、昔から不思議な夢を見る。森の中を歩いていると美しい黄金のたてがみを靡かせた大きな獅子が駆け寄って来て、愛の言葉を囁くのだ。

 その日もモニークは、今朝見た夢を思い返しながら、相棒である黒猫のリリーと森の中を散策していた。何かを踏んでしまい下を見ると、漆黒の髪をした男性が倒れていた。体中傷だらけで顔にも大きなあざがあり、今にも息絶えそうな姿にモニークは驚く。数十年ぶりに見る人間におびえながらも動物たちに力を借り、なんとか自分の家へと男性を運ぶ。男性は十日間も眠り続けたが、モニークの懸命な看病のおかげで目を覚ました。


第2話

 知らない家で目を覚まし混乱する男性。たくさんの薬草や魔法道具、窓から見える森を見て、モニークが黒い森の魔女だと悟る。警戒するが、モニークが根気強く説得するうちに抵抗をやめる。

 レオンと名乗った男性は、モニークが怪我の理由を尋ねても詳しく教えようとしない。また、黒い髪や顔のあざは生まれつきではなく、目覚めたら変わっていたと話す。「あなたは呪いをかけられているのかもしれない」と言うモニークに、早く城に戻って真実を確かめたいレオンは「魔法で呪いを解き、怪我も治してくれないか」と頼むが断られる。「対価が必要か」とレオンが問うと「呪いはかけた本人にしか解けない。けがは治せるが、魔法の効き目が切れれば余計に負担がかかり、体を壊してしまうかもしれない。あなたにとって今一番必要なのは栄養と休息だ」と言ってモニークはかいがいしくレオンの世話を焼く。

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