悪役令嬢リーゼロッテ・ベルヘウムは死亡しました
「ちびっこ竜たちのいたずらだったのか。このお嬢さんが空から落ちてきたのは」

 今まで傍観していたレイルが口を挟んだ。
 わたしは彼の方に顔を向けた。

「知り合いなの?」

 単純な疑問でわたしは彼に尋ねた。
 そういえば黄金竜が人間に変身するところを見ても彼は驚かなかった。

「ああまあな」
 レイルは鷹揚に頷いた。

「あ、レイルだ」
「ほんとうだ。久しぶりだね」

 双子竜はぱっと瞳を輝かせてレイルに抱き着いた。
 ちょっとしょんぼりしたと思っていたら立ち直りが早すぎる。
 わたしは頬を引きつらせた。

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