君と私で、恋になるまで







それは、瀬尾との待ち合わせの、2時間前だった。


そろそろ着替えようかとパジャマ姿のままに考えていた時、休日にはあまり鳴って欲しくない、社用のスマホが着信を知らせた。


一度、身体が止まって。

それでも出ない訳にいかず、「枡川です。」と電話に出る。



"枡川さんすいません…、至急、現場に来ていただくことは可能でしょうか。"


休日でも、実際に現場を担当する工務の人は割と出ずっぱりのことが多い。

今日は私も関わっているオフィス移転の案件で、現場では配線工事が行われている筈。

納品があるわけではないので、私は特に立ち会いの必要は無かったのだけど。




"……た、たすけてください。"


一緒に案件を担当している人にこんな声を出されて、無視できる人なんて居ないと思う。


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