君と私で、恋になるまで
「保城さん達も、この後よかったら飲みに行きません?」
嬉々と弾んだ声でそのまま勢いよく提案をぶつける先輩に、私は隣で倒れそうになった。
「良いんですか?是非!」
素敵な笑顔で返答する彼女に、先輩は軽くガッツポーズをしていた。
いや気持ちは分かるけど…!!
どんどん進んでいく話に、なんとか笑っていたけど私は内心相当焦っていた。
その瞬間、彼女の後ろにいた瀬尾とばっちり視線が合ってしまった。
私の表情を見て、やはり耐えきれないと言わんばかりに息を吐く男に私はきょとんとした顔になる。
え、なに。
先輩と保城さんが、場所の相談をしてる合間を抜けて私に近づく気怠い男は未だ笑っていた。
「やばい、が顔に出すぎ。」
「嘘。それはアカン。」
仮にもクライアントがいる前で、それは失礼すぎる。
だけど、自分を戒めるように表情を引き締めた私の様子をじっと見つめる切れ長の奥二重に、少し腰が引けた。
「…そんなに行きたかった?」
「え?」
「ビアガーデン。」
「……」
__行きたかったよ。
ビアガーデンっていうか、その、私にとっては"誰と"っていう部分の方が重要だけど。
そう言ったら、この人、どんな顔するだろう。