百花妖乱恋草子 ~宮中はうつくしあやし~
②冒頭部分プロット
第一話 桜風あまりにも荒まし
例年であれば桜が満開になる季節、少し寒々として花の少ない景色に退屈しさくらはあかりと野原へ出かける。田舎で生まれ育った少女ふたりはさくらの力で咲き乱れる花を編んで遊び、野原を駆けてはしゃいでいた。途中ふとさくらは家族やあかりと花見をした山桜を思い出し、あかりが止めるのを聞かず近くの山を登り始める。土にまみれながら見つけた山桜は固く閉じた蕾だらけであり、可哀想に思ったさくらは妖力で一本の木を満開にした。楽しんでいると突然風が吹き花を吹き飛ばし、晴風が現れる。宮中で見るどの花よりも美しい桜が少女の力であることを見抜いた晴風は、さくらとあかりを無理矢理牛車へ連れ込み宮中へ走り出す。
第二話 きらめくみやこ、ふためくおなご
風の妖力で牛車をあっという間に走らせた晴風は、何もわからないさくらとあかりを宮中へあげる。父以外の男性を見たことのないさくらは逃げようとする自分を押さえる家臣たちにパニックを起こし、部屋や廊下を美しい花で溢れ返させてしまう。実家の晴風との出会いに対する喜び様にさくらは困惑する中、春宮が田舎から連れてきた泥んこで美しい妖力の娘はあっという間に注目の的になった。特に幼い中宮はさくらやあかりをいたく気に入ったため、周囲も彼女たちの出仕を受け入れざるをえなくなる。さくらは女官たちにとって疎ましい存在であり、初めは居場所を見つけられなかった。だがそんなさくらを同室に受け入れることにしたのは、同じくさくらを冷たく扱うわらびと呼ばれる少女だった。
第三話 春一番を追って
さくらはわらびと仲良くなろうと話を振るが、頑なに話を広げないわらびに呼び名の由来を聞くと部屋を追い出されてしまう。そこで居合わせたあかりと共に下働きをしている女性たちから噂を聞いて回り、さくらはわらびのことを少しでも知ろうとする。またわらびは晴風からさくらの力の美しさと境遇を聞き、自分と正反対のさくらを想った。さくらのわらびへのひたむきな気持ちに少しずつわらびは心を開き、ある日わらびは自分の妖力や実家であった出来事、そしてさくらの美しい力は祭事を務める女官に相応しいのではないかと語る。協力的な女房らに助言を仰ぎながら、さくらとわらびは周りに認めてもらうために力を示すタイミングを探った。聡明な女房、未草の歌に合わせてさくらが春の花々を咲かせると、忽ち女官たちはさくらの力に魅了されていく。
第一話 桜風あまりにも荒まし
例年であれば桜が満開になる季節、少し寒々として花の少ない景色に退屈しさくらはあかりと野原へ出かける。田舎で生まれ育った少女ふたりはさくらの力で咲き乱れる花を編んで遊び、野原を駆けてはしゃいでいた。途中ふとさくらは家族やあかりと花見をした山桜を思い出し、あかりが止めるのを聞かず近くの山を登り始める。土にまみれながら見つけた山桜は固く閉じた蕾だらけであり、可哀想に思ったさくらは妖力で一本の木を満開にした。楽しんでいると突然風が吹き花を吹き飛ばし、晴風が現れる。宮中で見るどの花よりも美しい桜が少女の力であることを見抜いた晴風は、さくらとあかりを無理矢理牛車へ連れ込み宮中へ走り出す。
第二話 きらめくみやこ、ふためくおなご
風の妖力で牛車をあっという間に走らせた晴風は、何もわからないさくらとあかりを宮中へあげる。父以外の男性を見たことのないさくらは逃げようとする自分を押さえる家臣たちにパニックを起こし、部屋や廊下を美しい花で溢れ返させてしまう。実家の晴風との出会いに対する喜び様にさくらは困惑する中、春宮が田舎から連れてきた泥んこで美しい妖力の娘はあっという間に注目の的になった。特に幼い中宮はさくらやあかりをいたく気に入ったため、周囲も彼女たちの出仕を受け入れざるをえなくなる。さくらは女官たちにとって疎ましい存在であり、初めは居場所を見つけられなかった。だがそんなさくらを同室に受け入れることにしたのは、同じくさくらを冷たく扱うわらびと呼ばれる少女だった。
第三話 春一番を追って
さくらはわらびと仲良くなろうと話を振るが、頑なに話を広げないわらびに呼び名の由来を聞くと部屋を追い出されてしまう。そこで居合わせたあかりと共に下働きをしている女性たちから噂を聞いて回り、さくらはわらびのことを少しでも知ろうとする。またわらびは晴風からさくらの力の美しさと境遇を聞き、自分と正反対のさくらを想った。さくらのわらびへのひたむきな気持ちに少しずつわらびは心を開き、ある日わらびは自分の妖力や実家であった出来事、そしてさくらの美しい力は祭事を務める女官に相応しいのではないかと語る。協力的な女房らに助言を仰ぎながら、さくらとわらびは周りに認めてもらうために力を示すタイミングを探った。聡明な女房、未草の歌に合わせてさくらが春の花々を咲かせると、忽ち女官たちはさくらの力に魅了されていく。