訳アリなの、ごめんなさい
暖炉の前で長椅子にくたりと横たわって眠っている妻の姿を見てどきりと胸が跳ねた。



一瞬のうちに脳裏に蘇ったのは、あの誘拐の日、色をなくしてぐったりとする彼女の姿だった。
ひやりと背筋が、凍った。

慌てて駆け寄ってみれば、胸が規則正しく上下しているのが目に入り。

それでも不安に駆られて、彼女を抱き上げた。

温かい生のある重みに、そこでようやくホッと息を吐く。


突然持ち上げられたからか、彼女がぼんやりと瞳を開いた。

起こした事を詫びると、彼女は甘えるように胸にすり寄って、身を委ねてくれた。


そのまま寝室に運び。寝台に下ろせば、安堵感につい唇を重ねた。


今日は彼女はこのまま寝てしまうだろうか、、、そう思った矢先、彼女の方から誘うように腕を回してきた。
そのまま誘われるように唇を重ねて舌を絡ませて互いを貪り合うような口付けが続き、唇が離れた頃にはすっかりお互いがその気になっていた。


無理をさせないように丁寧に抱こう、ただでさえ彼女は強姦されかけたのだから、そう心に決めた、考えはいつもより欲情した彼女の言葉に早々に打ち砕かれる事になった。

無我夢中で、彼女をむさぼり、上り詰めさせて存在を確認するようにその弛緩する身体を抱きしめた。


彼女の上げる声一つ、締め付ける動き、跳ね上がる腰その全てが彼女の生きている証で。愛しくて愛しくて、自分だけの物だと言うことを実感できた。


「ブラッドっ、」

「アーシャ、愛してる」

後ろから彼女を抱きしめて、浅い抽送を繰り返しながら、耳元で甘くささやく。

「わた、しも。愛してるぅ、、っん、、ぁあ!」

愛してるの言葉に合わせて最奥を突けば彼女はビクンと美しく背をしならせて、軽くイッた。

「もう、俺から離れないって約束して」

ピクンピクンと震える背に口付けながら、彼女の奥に擦り付けていた自身を抜き出す。

「ああっ」

抜き出す直前に名残惜しそうに彼女の中が蠢いて、そして彼女自身も少し切なげな声を上げた。

「約束して?」

にちゃにちゃと尖端を擦り付けて。入るか入らないかと言う場所で彼女の返答をまつ。

無意識に彼女の腰が揺れて、奥へ誘おうするのをやり過ごす。


「やくそく、、するっ!私は、ずっとブラッドといるっ!だからもっともっと、愛して、、、お願い」


最後の言葉は不意打ちだった。
今日の彼女は今までになく積極的だ。自分と同じように狂おしく求めてくれているような気がして、それが今まで彼女が、押し殺していたものが剥がれた真の気持ちが表れた物なのだろう。

そう思ったらもう止めることは出来なかった。

結局何度も何度も愛してると言い合って。

疲労に負けて眠りにつくまで、何度も互いに求め合った。
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