ふたつの愛し方
朱希になら、わざと弱い場所ばかりを攻めてイカせてあげるけれど、そう簡単にはイカせてやらねぇよ。

一番敏感に反応した場所を攻めて、指を引き抜くと、どうして?


「俺が欲しくないの?俺のでイキたくないの?」


「……英介さんが欲しい……英介さんのでイカせて……」


「よくできました。俺が欲しいなら勃たせてくれよ?」


完全には、朱希じゃないと勃ち上がらず、目隠しをしたままだから、身体を反転させて、手を誘導して握らせて、ここだ、とベッドボードに背中を預けて、俺のソレを口元に押し付ける。


口に含んで、愛撫されるうちに勃ち上がったけれど、全く気持ち良くない。

下手なのか、朱希じゃないとダメなのか……


もういい、と口から引き抜いて、腰を持ち上げて華世の中に沈める。


「動けよ。欲しかったんだろ?乱れてる姿見せろ」


わざと抱き締めて甘く、耳元で囁くと素直に頷いて、腰を上下に動かす。

けれど、やっぱり気持ち良くない。


「下手だな……次からは俺が仕込んでやるよ。今はもうイキたい」


繋がったまま、抱き締めて身体を反転させて、激しく打ち付ける。

ぶつかる音が静かな部屋に響くと、キスして、と。

もっと胸を触って、と手探りで俺の手を取り、胸に誘導される。

朱希と大きさが同じ胸なら、幾らでも触ってやる。

唇を重ねて、舌を絡ませて片手で胸を揉みしだきながら、腰を掴み突き上げる。

なかなかイケないことが……もどかしい。

華世の絡み付いてくる液体は気持ち良くない……

目の前の華世は、朱希だ、と何度も言い聞かせて、追い立てるように激しく腰を打ちつけて……漸く、中に液体を流し込んだ。


気付かれないように息を吐くように溜め息を吐いて、引き抜いてから目隠しを外した。


横に寝転がると、よかったわ、と満足そうな笑みを浮かべて寄り添われる。

仕方なく頭を撫でて、満足してくれてよかったよ。


「私の身体は、気持ちよかった?」


「ああ……気持ち良かったよ。もう一回したいくらいだ」


本当は全くだ。

出来ることなら二度としたくない。

だけど、溺れさせて捨てるために嘘を吐き、落ち着いたらもう一回いいか?


「もちろんよ。今度は、目隠しなしで抱いて欲しいわ」


それも仕方ないか……

もう一度、華世の身体を弄び、指だけで何度も絶頂に導き、華世に勃ち上がらせて。

上に跨がせて、仕込んでやるよ、と腰を掴んで上下させて、軽く回す。

自分が好きなようにしているせいか、勝手に吐息が漏れる。


「……こうやって動いてみろよ……イカせてくれよ?で、華世もイケよ。手伝ってやるから」


わかったわ、と仕込んだ通りに腰を動かす華世の、中心の突起を弾いて押し潰す。

液体がドロドロに溶け出して絡み付いてくる。

この液体はやっぱり違う。

最後は、華世の胸を弄び、下から突き上げて華世が達した後に、液体を流し込んだ。


頭の先から爪の先まで綺麗にしたら、この匂いを全て消したら………朱希を抱きたい。

達したはずなのに、満足しない身体を満足させてくれ。
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