HEART ~second ~



俺は一度部屋を後にし、リビングに向かった





いくら医者で龍太から信用があるとしても、友人の彼女の寝顔をずっと見ているのも気が引けたのだ




正直やることがなくなった俺は気がつけば冷蔵庫を開けてキッチンに立っていた





(いつ目を覚ましてもいいように、栄養が取れそうなご飯を作っておこう…)





野菜多めのスープとご飯、それからりんご





メニューは何となく健康に良さそうなこれで。





健康食なんてものには実は無縁だから、言ってしまえばバランスの取れた食事が何かよくわかってない




医者なんてだいたいカップラーメンが親友だ












見た目を問わなければ十分と言えるご飯を用意し終えた俺はソファに腰掛け、乱雑に積まれた仏論文に手を伸ばした





(…仏語なんて久しぶりに読むからところどころ単語わっかんな………)








眉間に皺を寄せながらも興味深い論文を読んでいると、気がつけばリビングが少し暗くなっていた






(………4時間は経ったか………………)





集中しすぎて肩と腰がバキバキになっており身体を動かすとすごい音が聞こえてきた



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