燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
自分で自分が情けない……。
私はガクリとうなだれた。
「ちなみにつばめは分かってないけど、起きてから3回目だからね」
「……」
え、また数えてたんですか? そういうとこも狡いですよね?
眉を寄せる私を見て、クスクス笑いながら、先生は首筋に唇を落とす。次の瞬間、小さな痛みが走った。
「んっ……!」
「ちょっとそういう声、反則。シルシつけるだけで我慢できなくなる」
「だ、だってぇ……」
それなら、それもやめませんか⁉
そう思って涙目で先生を見上げると、先生は楽しそうに笑った。そしてまた唇が合わさる。長い長いキスのあと、先生はまっすぐ私を見て囁いた。
「僕は、つばめの全部を愛してるよ」