燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~


 あたしが待っていると、数十分後、拓海と麗子先生があちらから歩いてくる。

 あたしは拓海を見つけると、
「拓海―!」
と飛びついた。

 そして、にこりと笑って、

「きちゃった」
「来ちゃった……って」

 拓海は困ったように笑ってあたしを見る。

 分かってるのよ、拓海は別に困ってないでしょう。
 本当にダメな時くらい、あたしにだってわかるんだから。

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