燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~

 気持ちを落ち着かせるために、コーヒーを一口飲むと、


「そんなバカなこと言ってないで、そろそろ入籍の日程を決めない? 式場も早めに抑えないと」

と言ってみる。具体的な日にちさえ決めてしまえばどうにかなる、そんな打算もあった。
 しかし、つばめちゃんは、

「でも先生、毎日忙しいでしょう。だから、入籍は落ち着いたらにしましょう」

と苦笑する。
 3年目にして、まだかわすのか……。

 絶望的な気分になる。


「またそれだ。そんなこと言ってたら一生入籍できないよ」
「う~ん……でも……」

 そういって、今日ものらりくらりと入籍の日程をのばされる。
 もうそろそろ限界かもしれない。ここに来る前にも、恋愛に疎そうな一条にすら『自分の気持ちをちゃんとつばめちゃんに伝えとかないと振られるから』とクギを刺されたし。

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