春永すぎて何が悪い?
その途端、モゾモゾと動き出す。

「・・・は?なに?」

龍樹がゆっくり起きた。
暗闇の中で目が合う。

やばい。

「えっ、なに・・・何してんの。」

龍樹は薄く笑いながらも完全に引いてる。
私は耳まで熱くなるのを感じてベッドから降りた。

「何でもない。」

背中を向けて答える。

「なになになになに、え、なに、なに、急にどうしちゃったの。」

うっすら笑いながら言う龍樹に腹が立つ。

私は何やってんだろう。
バカみたい。

「私だって普通にしたいよ。」

私はバッグだけ取って玄関に向かう。
と、龍樹から腕を掴まれた。

「奈穂ちゃん、ごめん、ごめん、ごめん、違うよ、今日疲れちゃってさ。今度、今度しよ?ね?」

この丸く収めようとする感じ。
何かあればすぐこれ。
面倒くさいのが嫌なんだ。

今日疲れたって、龍樹は一日中休みだったじゃん。

今度って言ったって、いつその「今度」が来るの?

「もういいよ、無理だよ。」

私はそう言い残すと部屋を出た。

「奈穂ちゃん!」って声だけがドアの向こうから最後に聞こえた。

龍樹なんて枯れきってるんだ。
私への愛。
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