春永すぎて何が悪い?
ちょうどタイミング良く時計が0時を回る。

10年前の今日。
高2の夏休み入ってすぐの日、あれは地元の駅前のベンチだった。

あの日と同じことを今も思う。

「奈穂ちゃんのことが好きだよ。」

そう、今日は記念日だ。

奈穂ちゃんがギュッと抱きついてきた。

「だから奈穂ちゃんの人生の責任を、俺に取らせて下さい。」

奈穂ちゃんと目が合う。

「はい。」

体も心も、やっと繋がった。
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