縁は異なもの味なもの
一般病棟に移った中川くん。

私も大輔さんも職場へ出勤したので、あれやこれやと仕事が山積みだったが課長のはからいで、定時にあがらせてもらいお花と菓子折りも買って2人でお見舞いにやって来た。

コンコン。
中川母
「はい。どうぞ。」

「失礼します。井上です。」

「主任! 立川さん! いらっしゃい!」

「失礼します… 中川くん、これお見舞いなの」

「アラ〜綺麗なお花! ありがとうございます
さ、椅子に座って〜。私は花瓶にお花を生けてきますね。」

「主任、立川さん。ありがとうございます!
さ、どうぞ!」

「中川。その前にお礼を言わせてくれ。
あの時は、オレを庇ってくれて本当にありがとう
中川は、オレの命の恩人だ。
怪我をさせてすまなかったなぁ。ゴメンな。」

「主任と立川さんが無事で本当に良かったです。
俺は全然大丈夫なんで〜ハハ。ウッ。イテ。」

「中川くん、ありがとうございました。傷はどう?」

「治りが早いみたいで、2週間後に抜糸するみたいです! 
おれは、若いですからね〜」

「なぁ、中川…。 ウチの親父や社長とも話してたんだけど…、
刺された会社が嫌ならオレと一緒に井上不動産にどうかなと思ったんだが…」

「え!マジっスか? 井上不動産の設計室って事ですよね〜。」

「希望部署があるのか? 」

「秘書室! って言いたいですけど…」

「お前、秘書の資格とかあるのか?」

「ないッス… あ! 入院中に勉強します!
主任の秘書をやるッス! 
変な女の秘書だとヤバイですから〜
おれが、立川さんが泣かないように、変な女たちを蹴散らかします!」

「中川は、想像力がすげぇなあ〜」

3人でゲラゲラと笑っていた。

「じゃあ、社長や親父にも相談するからな!
資格は、キチンと取ってくれよ!」

「ハイ!! ありがとうございます!
どこまでも主任について行く覚悟がありますから!」

中川くんのお母さんが、私たちにコーヒーを買ってきて下さりすこしみんなで雑談して
私と大輔さんはマンションへ帰って来た。

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