元彼に買収されました
すぐさま会社を飛び出すと人目もはばからず一人で泣いた。

家に帰ってからも自分の部屋でずっと泣いていた。

どれくらい経っただろうか、辺りはすっかり暗くなっていた。

私にはしなければならないことがある。それは今日中に彼に別れを告げること。

携帯電話で彼に電話をかけるとすぐに出てくれた。
『もしもし?』

優しい彼の声にまた泣きそうになる。
「あのね…私たち別れよう。もう潤のこと好きじゃない。さよなら」
一方的に電話を切ってしまった。すぐに彼の方から着信がかかってきたけれど着信拒否をして彼の連絡先も全て消した。


既に彼の父親からもう私とは一切会わないように手配済みだと言われている。
「ごめんなさい…この雪、潤と一緒に見たかったな」
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