捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「パパ?」

「ごめんな。ずっと遠くの国に行っていたんだ。俺は瑠偉のパパだ」
どの口がこんなにスラスラとから出まかせを言えるのだろう。もはや呆れてなにも言えない私を置いて、二人は話を続ける。

「瑠偉だってパパがいたほうがいいだろ?」
少し考えた様子の瑠偉に、いきなりこんな事実を突きつけた祥吾さんに、怒りがこみ上げ、瑠偉が心配になる。

「瑠偉」
私の呼びかけなど聞こえていないようで、瑠偉は少しして満面の笑みを浮かべる。

「うん」

「だな。いっぱい遊ぼうな」

なによこれ……。
たった数分会っただけで、どうして? 私はあんなに大変な思いをして瑠偉を産み育ててきたのに。
私の気持ちなどまったく考えていない二人の様子に、私はつい大きな声を上げてしまった。「いい加減にして!」
びくりと瑠偉が表情を固まらせ、ギュっと祥吾さんに抱き着くのが見えて、私はぐちゃぐちゃな気持ちで泣きたくなる。
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