HONEYBEE(3)~エリート外科医の婿入り婚!!溺愛は御遠慮致します~
彼は口を噤み、引っ越し業者から貰った段ボール箱を組み立てて書棚の本を詰め込んでいく。

私はクローゼットの扉を開けて、新居に持っていく洋服を選んでいた。


「本は詰めたぞ…次は何処だ?」

「あ…引き出しの中をお願い」
私が思ったよりもスムーズに荷作りが整っていく。

結局、お父さんは私を片腕として見てなかった。私に望むコトは彼の子を身ごもり、後継となる男児を産むコトだけ。
そりゃまぁ―・・・私もお父さんのカラダを按じ、早くその望みを叶えてあげたいと思っていた。

でも、会社は退職したくなかった。

フロンティアメディカル」で働いたこの三年間は一体何だったんだろう。
「へぇー…お前ってこんな下着穿くんだな…」

彼は私の下着を手に取って広げていた。赤い透け感のあるパンティー。

「貴方ね…」

「今度、穿いてる所見せてくれ。眞白。お前の白い肌に赤い下着もいいかもな」

「返して!!」

私は彼の手からパンティーを奪い、パーカーのポケットに仕舞い込む。


「私は書棚の引き出しの中身の荷作りの頼んだの…誰も箪笥の引き出しを開けろと言ってないわよ」
「紛らわしいんだぞ…それからそうとハッキリと言えよ…」







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