消えない傷・消えない痛み

**誕生


美桜は、出産を迎えた。

父・徹はおたおたしていて
母・菊乃に「しっかりしなさい。」
と、叱られて
里子は、それを笑いながら見ていたら····

「オギャア、オギャア」
と、元気な声が聞こえて
徹は、ヘナヘナと座り込み
菊乃と里子は、手をあわせて
喜んでいた。

お産に立ち合った凛は
ヨロヨロとして
分娩室から出てきて
菊乃と里子に支えられていた
「「ありがとう、凛ちゃん」」
と、二人に言われて
「はい。お産って、すごいんですね。」
と、話していると
「おじいちゃん、おばあちゃん方
どうぞ。」
と、看護師さんから。

皆で見に行くと
青葉赤ちゃんと書いてある
ベビーベットには
目鼻立ちが綺麗な可愛い顔を
している赤ちゃんが寝ていた。

徹は、鼻の下が伸びているし
菊乃と里子は、可愛い、可愛いと
大騒ぎ。
凛は、もう一度見て
本当に可愛いと思っていた。

美桜の赤ちゃんは、
男の子で母子共に元気だった。

名前は、暖大(ひろと)君。

美桜が病室に戻ってきて
またまた、皆でワイワイ
騒いで、今日は母・菊乃が
残るという事で、皆は帰って行く
美桜は、
「凛さん、ありがとうございました。」
「ううん、感動した。
   お母さんは、すごいね」
って、笑ってくれた。
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