消えない傷・消えない痛み

**頼む


朝には、伊織から
ショートメールが来た。
« 大丈夫か? »
« おはよう。ありがとう。
まだ、寝てるよ。 »
と、言いながら熱をはかると
やはり、36度だいで
ほっとした。

父と母にも伝えて
お義母さんにもLINEをした。

凛さんにもLINEして。

二人とも、良かったと
返事が来ていた。

お昼に凛さんと食事を取りながら
昨夜の話をして
どうしたものかと考える。

凛さんは、
「ひろが、落ちつくまで
たまにでもよいから会ったら。」
と、言われて
「う~ん?
両親とお義母さんに相談してみます。」
と、話した。

夜に両親とお義母さんに話していると
ブザーがなり、出ると
「伊織?」
「すまん、気になって。」
と、話していると
せー、きゃーっ、きゃーっ、
と、言いながら
ひろがやってきた。

そんな、ひろを伊織は
抱き上げると父が
「甲斐君、上がりなさい。」
と、言い
「すみません。失礼します。」
と、伊織は上がり父についていく
そんは三人を見て
慌てて私もついて行く。

リビングでは、
父と母とお義母さん
伊織にひろが話していた。

ひろが、せーと言うのを
伊織が私を見るから
「たぶん、先生の意味だと。」
と、言うと
伊織は、
「ひろ、俺はいおりだ。」
と、言うと
首を傾げながらひろは
「い⋅⋅⋅⋅お⋅⋅?⋅⋅」
と、言うと
「そうだ。」
と、言う伊織にひろは、手を叩いて
喜んでいた。

そんな、二人を
父と母、お義母さんは見て
びっくりしたり、笑ったりして
「甲斐君、美桜に話を聞いたよ。
色々、すまなかった。
謝ってすむ事ではないが。」
と、言う父に
「いえ。私がきちんとして
いなかったのがいけないのです。」
と、言う伊織に父は、
いや⋅⋅⋅⋅とか
でも⋅⋅⋅⋅とか
言っていたが
暖のお母さんが
「三人は友人だったのね。

伊織君と美桜ちゃんに
すれ違いがあったと言うこと?
それを
暖は、伊織君に手紙で
知らせてきたの?」
と、言い
「はい。手紙がなければ
私は、美桜には近づいていないと
思います。」
と、答える伊織に
「そう。それになぜか、ひろが
伊織君になついた、と。」
と、言うお義母さんに
みんな頷く。
細かい内容は、私が知りうる限りを
三人には話していた。

そこで、父が
「もし良ければ、ひろに
会ってもらえないだろうか?
ひろも年齢を置くと
わかってくると思うんだ。
だが、甲斐君が忙しい時は
決して無理をしないように
して欲しい。」
と、お願いすると
「はい。私に出きることは
なんでも。」
と、言うから
「伊織、いいんだよ。
無理しないで。」
と、慌てて言う私に
「いや、自分がやりたいんだ。」
と、言ってくれたから
「ごめんね。ひろのために。」
と、私は伝えた。

みんなが話してる間も
ひろは、伊織に
「いお、»﹦﹢·▪▷−」
と、話していた。

わからない会話に
みんな笑ってしまう。

伊織が帰るときに
ひろはべそをかいたが
「ひろ、またくるから
ママの言う事を聞くんだぞ。」
と、言うとうんうんと頷いて
伊織に手を出すから
伊織は、ひろを再び抱き上げて
背中をポンポンとした。

美桜は、ひろと伊織を
見送り、バイバイと
手をふる暖大に
しばらく、伊織に甘えようと
思った。
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