消えない傷・消えない痛み
十三話

**幸せ


今日は、凛さんと高木先生の
結婚式だ。

教授は、ずっと泣いているし
美桜も、もらい泣きをしていた。

高木先生が、教授の事を
心配して一緒に暮らすときかず
教授のお宅はリフォーム中である。

凛さんは、本当に綺麗で
高木先生は、ずっと鼻の下が
のびきっていた。

高木先生から、
あの日······
「暖は、本当にすごいと思う」
と、言われた。

美桜が伊織と
一緒にならないのはわかっていて
美桜に酷いことをしたことを
わからせて、謝罪をさせるとか。

美桜が、他の人と結ばれるだろう
事をわかっていたなんて····と。


皆も、ほんとだよね・よな
と、感心していた。




私と蒼大さんの交際も順調で
蒼大さんのお父様
夏目教授とお会いした時は、
かなり感動されて
抱き締められて
少し驚いたが
そんな私を見て夏目教授は、
蒼大さんに叱られていた。

蒼大さんのお母様は、
蒼大さんが大学生の時に
病気で亡くなったそうだ。

とても優しい母だったと
蒼大さんが話してくれた。

暖大は、お髭のある夏目教授を
おっかなびっくり見ていたが
ニッコリ笑う教授に
「パパ、じい?」
と、蒼大さんに
「うん。じいだよ。」
と、言うと
暖大は、頭を下げて
「ひろ、れしゅ」
と、言うから
「こうだい(広大)です。」
と、言うと
「こう?じい?」
と悩むひろに
「じいで、良いよ。」
と、蒼大さんが。
すると、うん。とひろは答えていた。

ひろは、いつの間にか
蒼大さんをパパと呼ぶように
なっていた。
テレビを見てマネしたのか
定かではないが
蒼大さんは、すごく喜んでいた。
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