消えない傷・消えない痛み
十四話

**新たな


私と蒼大は、お互いの両親や父親の
事を考えて。
美桜の家の近くに家を建て
その一角に蒼大のお父さん
夏目教授の部屋を作った。

教授は、日本にいないからと
言ったが、ゆっくりする
家にして欲しいと
私からお願いをした。
平屋で中庭を挟んで
右が私達の部屋
左が、お義父さんの部屋

玄関は広く
大きな下駄箱、
濡れたものを干す小部屋が配置され
すぐに中庭があり記念に木を植えている。

右は、トイレ、お風呂場、
子供の部屋、二つ(各々クローゼット)
寝室(小さなユニットバス)
大きなクローゼット
蒼大の書斎と私の家事室

左は、トイレ、お風呂場、
お父さんの寝室、
大きなクローゼット
お父さんの書斎

両サイドから行き着いたとこに
大きなリビング・ダイニング
リビングダイニングの先には
大きなウッドデッキと
キッチンがある。

リビングダイニングの上に
中二階があり。
いろんな物が置けるし
大きな窓があり星がみえる。
シャッターをつけているから
暴風にも対応できる。

暖大は、喜んで
ぐるぐる回って楽しんでいた。

完成祝いには、
お義母さん、凛さん夫婦
両親とお義父さんと
沢田教授が集まってくれた。

お義父さんが、
「絶対、来い。」
と、言ったらしい。
「美桜といるのが
嬉し恥ずかしいんじゃ。
こやつは。
それに、美桜が俺の部屋を
作ってくれたんだと煩くてな」
と、教授が言うと
みんな、ええっ、と騒ぎながら
笑いがおこっていたが
父が、
「そんなに見初めて
いただいて、嬉しい限りです。」
と、二人で盛り上がり
教授は、あきれていた。

凛さん夫婦も父・教授と
一緒に暮らしている。

凛さんは、今妊娠中で
妊婦生活を楽しんでいる。

高木先生は、医師として
わかっているはずなのに
凛さんを心配して
あれや、これやと言っては
凛さんに怒られている。


私は、私で······

「美桜、また、そんな物持って。」
と、ついて回る蒼大

私は、洗濯物を運んでいるだけで
干してと思っているだけ·····

「持つから、ほら、持つ」
そんな蒼大をほって
進んで行く。
「美桜ったら。」
と、騒ぐ蒼大に
「あ~あ、もぅーうるさい。」
と、言う私に目をクルクルしながら
見る蒼大。
「あのね。心配なのは、
わからなくもないの。
だけど、妊娠は病気ではないから
適度に動いていた方が良いの
父親学級でもきいたでしょ、蒼大。」
と、言うとシュンとする。

あっ、言い過ぎた、と思うが
このやり取りを
毎日、毎日、している私としては
« 負けない »
と、背中を向けて進む
後ろ髪をひかれながら·····

ウッドデッキに着き
洗濯物を干す
「またかい?」
「はい。」
「すまないね。」
「いいえ。大事にしてもらってるの
わかりますから。」
「ありがとう。」
「うふふっ」
ウッドデッキの椅子に座る
お義父さん。

膝には、暖大が寝ている。

私は、お義父さんと暖大に
膝かけをかけてから
洗濯物を干していく。

暖大は、ここでおじいちゃまに
本を読んでもらうのが好きだ。

義父は、近々また海外に行く為
義父も暖大から離れない。

干し終わると、
蒼大が立っていて
「美桜、ごめん。」
と、言う。
「心配もわかるけど。
美桜ちゃんのストレスの方が
良くないぞ。」
と、義父に言われて
はぁっとした顔で私を見る蒼大に
私は、ニッコリ笑うと
ずかずかとやってきて
私を抱き締める
「ごめん。」
と、言うから
「うん。大丈夫だよ。
でも、少しは信用して欲しいな。」
と、言うと
「善処します。」
と、言う蒼大に
私もお義父さんも笑った。
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