寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
所詮、母の身体が目当てだったらしい。

「ご免下さい。」

初めて入る父の屋敷。

私はこの家に、受け入れられるかどうか、不安だった。

「はい。」

出てきたのは執事の人だった。

「小沢保です。小花嬢と共に参上しましたと、橋本氏にお伝えください。」

「かしこまりました。では、しばらくお待ちを。」


私達は客間に通された。

所詮私はここでは客だという事だ。

しばらくすると、豪華な着物を着た女性が、客間にやってきた。

「保さん!」

小沢さんを名前で呼ぶ女性は、彼に抱き着いた。

「こんにちは、あげはさん。」

「お久しぶりです。もう来て下さらないかと思ったわ。」

「どうして?」

「だって、婚約の決まった女には、もう興味はないでしょう?」

婚約の決まった?
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