寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「安心してください。橋本さんには、この入院の事は、バレないようにします。治療費も出しますから、小花さんの為に病気を治しましょう。」

小沢さんの優しい言葉に、母も観念したようだ。

「けれど、曲がりなりにも小花は、橋本の娘です。妾になれるかは、橋本の意見を聞いてみないと。」

「分かりました。そうしましょう。」

すると小沢さんは、私の手を握って立ち上がった。

「小沢さん?」

「橋本氏の邸宅には、何度かお邪魔した事がある。今から行って、了承を得よう。」

「ええ?」

驚いている母を置いて、小沢さんは私を連れて、病院を出た。

そのまま、また馬車に乗る。


「父を知っているんですか?」

「言っただろう?何度か遊びに行っているって。」

私の知らない内に、父との知り合いの人と会っていたなんて。

父が知ったら、どう思うだろう。

そんな事を思っている内に、どうやら父の屋敷に着いたらしい。

「……父は、すごい屋敷に住んでいるのね。」

「来た事はない?」

「うん。ずっと、父が来るのを、あの家で待っているだけだったから。」

2,3日に一度来ていた父も、母が病気になってからは、あまり来なくなった。
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