寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「お嬢様?それはあげはの事か?」

「いえ、こちらにいらっしゃる、小花嬢の事です。」

父は、椅子に座りながら、じーっと保さんを見ている。

「それは、結婚するって事か。」


するとバンッと音を立てて、書斎のドアが開いた。

「待って!どういう事?」

「あげは!」

書斎のドアを押し開いて中に来たあげはさんは、父に詰め寄った。

「この小花さんという方は、一体誰なの!?保さんと結婚できる方なの!?」

「待て、落ち着け。」

「落ち着いていられないわ!だって私……」

あげはさんは、涙を零した。

「保さんの事、好きなんだもの。」

「バカな事言うな!結婚が決まった娘が、他の者を好いとるなんて言うんじゃない!」

「でも、本当の事よ!」


そして父は、保さんに座るように言うと、頭を下げた。

「申し訳ない。何も知らない娘で。」

「いいえ。」

「それで、小花を迎えたいというのは。」
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