旦那様は征服者~帝編~
「ちょっ…やめ…帝」
「んーー。よし!消毒完了」
「もう////」
「フフ…耳まで真っ赤!
………ねぇ、結婚する時に言ったよな?このピアスの意味」
私のピアスを触りながら、帝が言う。
「え?うん」
「俺達の世界ではね…このピアスをしてる女に手を出したら、俺に殺されるってゆう暗黙のルールがあるんだよ」
「そうだったの?」
だからいつどんなときでも、紫織は俺に守られるって言ったんだ。

「たぶんこのピアス見て、逃げたんだと思うよ?」
「そうゆうことか…」
「俺が紫織を管理する代わりに、守れるようにこんな風にしたんだよ…?」
「私ずっと守られてるんだね…」
「そう。だから右耳、常に見せて外歩くようにしな?」
「うん…」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そしてそんなある日。
“同窓会のお知らせ”を手に、私は帝に懇願中だ。

「お願い!少し顔を出すだけで構わないから、行きたい!」
「いいよ」
「え?いいの!?」
「……って言うと思ってんの?」
「え?」
「ダメだ」
「だよね…?」
「ダメ。息…止まるよ?いいの?」
「ダメです……」
「だろ?このハガキ捨てろよ…見るだけで吐き気する」
「……うん」

ゴミ箱に捨て、トイレに籠って泣いた。
最近、友達にも会えてない。
久しぶりに会いたかったのにな……
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