旦那様は征服者~帝編~
どうしよう?
帝に電話?
いや、でも今すぐここに来れる訳じゃないし……
とにかく家に帰ろう。
でも家、知られたくないし……

どうすんの、私!

あれやこれや考えていると━━━━
「はい、掴まえた~」
あっという間に手を掴まれてしまった。
「嘘…」
手、触られ、た…
また帝にお仕置きされる。
「可愛い~怖がってる」
いや、怖がってるのはあなた達ではなく、帝になんだけど。
「とにかく離して下さい!後が怖いんです…」
「いいじゃん!お茶しようよ!奢るからさ」
「だから離し━━━」
掴まえた手を離そうともがくと、私の髪の毛が揺れた。

「え━━━!それ……マジかよ!?」
「おい、やべぇよ…この女に手ぇ出したら…!」
「え?」
「行こうぜ…」
なぜか、急に逃げてしまったのだ。
「え?え?何だったの…??」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
『それは、ピアスのおかげだね』
「え?」
帝に昼の定期的な電話の際、この事を話すと言われた。
『だから右耳は常に見せとけって言ってるだろ?』
「え?え?全くわからない…どうして、ピアスが出てくるの?」
『フフ…帰ったら話すよ!それに消毒しないとな』


そして帝が帰ってきて━━━━━
「今日、災難だったね…」
と話す。
「え?うん…でも不可抗力だよ?」
「わかってるよ!こんなことでは怒らないよ!で、どっちの手を掴まえたの?」
「えーと…右手かな?」
と右手を出した。
するとその右手を、まるでキャンディのように舐めまわされた。
< 28 / 34 >

この作品をシェア

pagetop