旦那様は征服者~帝編~
「それ、どうゆう意味?」
「内緒…じゃあ帰るね!」
「待って!話を聞かせてよ!」
「だから、内緒!」
「泣いてんじゃん?ほっとけないよ…!」

え━━━?
泣いてる?

そう、私は泣いていた。
「話、聞かせて?」

「━━━━」
「…………」
私は帝のことを話した。
「……なんだよ、それ?」
「だから無理なの…ごめんね」
「それって紫織のこと、人間と思ってないじゃん!」
「でも私は帝から逃げられないの。それでも好きだから…」
「変だろ…」
「変だね…」
「だったら………」
「え?」
「今から俺と逃げよう!」
「え?無理だよ!帝、ヤクザだよ?情報のネットワークとか凄いよ!」
「だからってこのまま、ほっておけるわけねぇよ!好きな女をこのまま……」
「白城くん?」
「俺はまだ好きだよ?紫織のこと…」
「フフ…嬉しいなぁ。私にとっても大切な人だったから」
「俺が命懸けで守るから!」
「その気持ちだけで、十分…ありがとう」

やっぱ白城くんだなぁ。
優しくて、真っ直ぐで、誠実。

「ごめんね…」
そう言って、その場を去る。

「なんだよ!?紫織!」


「紫織。こんなとこで何やってんの?」
「帝」
やっぱバレるか……
「これは何?裏切り行為だね…?」
「うん、でも大丈夫。もう二度と逆らわないよ…監禁してもいいよ」
私は静かに、帝に抱きついた。
「なんか可愛い…紫織。そうだね…ゆっくり家に帰って考えようね…?」


「なんだよ、それ!?」
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