朝戸風に、きらきら 4/4 番外編追加



くしゃりとまた、いつもみたいに私の髪を乱した男が寝室を出て恐らくキッチンへと向かったのを見送って。

私もベッドを降りて、ゆっくりとカーテンを開いて、窓を開けた。

2人して恐らく寝坊しているから、早朝の白く淡い光とはまた違う、真っ直ぐで色の濃い日差しと対峙した。


数日後には、昨日注文したカーテンも届く。

悩みに悩んで選んだから、
多分絶対、お気に入りになると思う。

私が毎日、こうしてまた窓から風を取り入れられるように、依織がこれまでくれた優しさは一生、大切にする。



あの人の毎日が、出来る限り、
明るく晴れることが多ければ良いと思う。

だけど、どうしても暗さに沈んでしまう日は
必ずこれからも、存在するから。

その時、私が代わりに照らすよって言えたら格好良いけれど、残念ながら私は、そんな太陽のような立派な輝きを持ち合わせてはいない。

だから、小さな煌めきを沢山、毎日集めていく。


「その。」

「?」

部屋の入り口から顔を出して、私を呼んだ男の右手には小ぶりなフライパンが握られていて、それは未だにあまり似合わない。

「ウインナー、どうやってタコにすんの?
全然ならねーけど。」

真顔で尋ねられて、その真剣な面持ちに、思わず肩が揺れるくらい笑ったら、不機嫌そうに「何笑ってんだよ」と指摘される。


小さな煌めきは、両手で大切に持って、
一緒にちゃんと、見つめていければ良い。


とりあえず、愛しくて仕方がない。
この心地の良い胸の高鳴りも、多分、
ときめきと呼べる気がする。

ウインナーの進化方法は、料理初心者向けに丁寧に教えようと決めて、依織の側へ駆け寄った。


貴方に、ときめく

fin.



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