バイタルサイン
私は心臓の病気になってしまった。
もう貴方に言葉を送ることもできない。
何も伝えられずにさようならになってしまった。
目が覚めた。
貴方はどこにもいない。
貴方のことを伝えられた。
「この身体が貴方を奪ったの?」
泣いた。
何度も問いた。
「貴方がいない世界に意味はあるの?」
暗くなる部屋、時間だけがすぎていった
貴方はずるい。
私は貴方がくれたこの心臓と共に生きる。
朝日がさす部屋で流れ落ちた涙の意味をずっと抱きしめる。
重なった心拍は揺れている。
「貴方は私に理由を与えた。」
私は微笑んだ。