クールな部長は独占欲を隠してる【6/18番外編追加】
その甲斐あって、うちのブースは今年も大盛況で幕を閉じ、今はその打ち上げに来ているところ。

居酒屋の2階の座敷を貸し切っての打ち上げ。
居酒屋へ移動する段階から蒼介さんと進藤は広報部の女子たちに周りを固められ、居酒屋に着いてからは奥の方の席でガッチリ両隣とその周辺をキープされていて、全く近づけない。

私と奈美は座敷へ入ると、東さん、斎藤さんこっちこっち!と営業部のメンバーに引きずられて入り口近くのテーブルに腰を落ち着けたが囲まれている蒼介さんが視界に入る場所だったために内心気が気でない。
まあ、視界に入らなくても結局は気が気でないのだけど…

「部長は芽衣子にベタ惚れだから、大丈夫」

不安げな私に気づいて、奈美がコソッと耳打ちする。

「…奈美〜…」

私と蒼介さんが付き合っていることは、隠しているわけではないけど特に公表しているわけでもない。
だから、こういう時。
蒼介さんの人気を目の当たりにした時。私は不安になってしまう。
< 132 / 177 >

この作品をシェア

pagetop