丸重城の人々~前編~
「いいよ。でも紐は外して?私も大翔を抱き締めたい…」
「うん」
紐を外されると、すぐ大翔に抱きついた柚希。
「私も愛してるよ。大翔のこと」
「うん」
「いっぱい愛し合おう」
その言葉を聞いて、大翔は柚希の頬を持ち口唇を押し付けるように、夢中で貪った。

「んふぅ……んぁ…ふぁぁ…くる、し…」
「柚…鼻で息して……?」
「ンン………んぁ…」
「こんくらいで、音をあげてたら、もたないよ……。
今日は寝かさないから………」


「あ…や……もう…から、だ……もたな、い…」
ギシッギシッと、ベットのスプリングの音が響く。
何度果てても、大翔は疲れるどころか、動きが早くなる。本当に止まらなかった。

「大翔……おねが…少し…休憩、させ…て…」
柚希はほとんど、身体が動かせない位に震えている。
「フフ…そうだな……ちょっと無理させ過ぎた…ごめんね……」
繋がったまま腕枕をして、横になる。
「大翔…ギュッてしたい……」
「うん…」
大翔の鼻と柚希の鼻がぴったりくっつく位、くっついて、抱き締め合う。
「フフ…大翔の匂い大好き…!」
「俺も柚の匂い好き……」
「黙っててごめんね…でもちゃんと大事な理由があるんだよ?」
「どんな理由?」
「それは……まだ、言えない……」
「なんで?教えて?」
「ダメ…」
「ふーん。そんなこと言っていいの?」
「え…?」
一瞬でまた組み敷かれ、大翔が動き出した。
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