丸重城の人々~前編~
「そうなんだ…」
「まぁ柚のダチだから、しゃーないけど」
「………惚れないでね…」
今度は自分から抱きついた柚希が、ボソッと言う。

「え?柚?」
「なっちゃん綺麗だから……」
大翔を見上げ言う。
「………え?もしかして、ヤキモチ?」
「ち、違うよ…!!」
顔が赤くなった。耳まで。
「ヤバい……可愛い…。
どうしよう…可愛すぎる……!」
そう言うと大翔は柚希を抱き上げ、部屋に向かった。
「え?え?大翔?」

ベットに柚希を下ろすと、すぐ組み敷く大翔。
「え?大翔?まさか今日も?」
「うん…柚が俺を煽るから……」
「でも昨日もシたし、身体が……」
「だから柚を抱くのに、疲れも時間も関係ないって言ったでしょ?」
「でもまだ、ご飯━━━━」
まだ拒否ろうとするので、その言葉事口唇を奪った。

「ンンン……んぁぁ…ンン…」
空気を取り込もうと、口を開けた隙に舌を入れる。
少しずつ柚も身体が熱くなってきた。

そのまま今日は二人とも部屋から出てこなかった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「おはよ」
「昨日、二人とも何やってたんだよ!?飯も食わず…」
中也がため息混じりに言う。
「愛し合ってた」
「ちょっ…大翔!!」
「だってほんとのことだし」
「恥ずかしいから、やめて!!」
顔が赤くなる、柚希。

「可愛い~柚希」
「だな(笑)ほんと可愛いな、柚は!」
大中兄弟にからかわれる、柚希。
それをなんとも言えない表情で見る、夏姫だった。
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