丸重城の人々~前編~
「…ったく、ほんとバカね!あの毒蜘蛛三人」
と響子。
「すみません…」
「まぁ次からは、柚希か広さんにちゃんと確認するべきね!」
「はい」
「まぁ、最終的に俺が一発かますから!」
と将大。
「カッコいい!将大」
「ほんと…将大さん、素敵!」
響子と柚希の声。

「はぁぁ?今…柚、おっさんを素敵っつった?」
「え…」
「聞いてたの?大」
「言ったな!確実に!このおっさんを」
「中也くんまで……」
「それはおかしいね…素敵なのは、この中で俺だよ?姫」
「え…?玄さん?」

「どう考えても素敵だろ?俺!
悪いが、お前等みたいなガキのような喧嘩しねぇし!」
「は?どこが素敵なんだよ?おっさんいつも、響子に膝枕してもらわねぇと、寝れないくせに!」
「あ?なんだよ?中也、羨ましいんだろ?好きな女の膝枕!」
「ちげーよ!てか、響子のどこがいいんだよ?こんなおっかねー女の膝枕!」
「は?私の膝枕の何が悪いの?中」
「だってお前に膝枕されたら、おちおち寝れねぇじゃん!こえーし!俺は断然柚希がいい!」
「はぁ?こっちが願い下げよ!だいたい、柚希に膝枕してもらえる訳ないでしょ?」
「えー!俺は姫を後ろから、抱き締めて眠りたいなぁ」
「は?なんでそうなる!中也も玄も触らせねぇよ!
柚は俺のだ!」


「ちょっとみんな!やめて!!!」
「え…柚?」
「せっかくみんなで楽しく飲もうって話したのに、台無しだよ…!」
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