丸重城の人々~前編~
柚希を少し見上げる、大翔の目。
「大翔…目、綺麗……」
そう言うと、その目蓋にキスをした。
「フフ…」
「何?柚」
「時々思うの。
大翔はこんなに近くにいても全く怖くなくて、むしろ安心するのに、どうして他の人はあんなに身体が震えるんだろうって…」
「それは、愛し合ってるからね…!」
「そうだね…」
「ほら、もう俺のことだけ考えて、一緒に果ててしまおう…」

その言葉を最後に、再びベットにしずんだ。
後はもう、ベットのスプリングの音、柚希の甘い声、お互いの名前を呼ぶ声しか響かなくなった。
一晩中、それがおさまることがなかった。

もうすぐ日の出とゆう時に、やっと柚希を解放できた、大翔。
「ごめん…抑えられなくて……」
「ううん。大…丈夫。
でもあんなに余裕がない大翔、久しぶりだな…」
「そう?
確かに(笑)余裕なかった……」
「可愛い…大翔」
頭を撫でる、柚希。

「可愛くねぇよ…てか、年下扱いしたな!」
「だって年下でしょ?私の方がお姉さんだもん」
「へぇーだったら、まだまだ抱いてもいいの?」
「え?もう無理だよ……身体動かないし」
「お姉さんなんでしょ?もう少し付き合ってよ?」
また柚希を組み敷く、大翔。

「やだよ…ほんとにもう無理なの……。だいたい大翔は平気なの?」
「まだいけるよ!柚と愛し合えるなら、疲れも時間も関係ないって言ったでしょ?」
柚希にキスをする。
「ンン……おねが…も…」
「フフ…わかったよ。もう寝ようね…」
二人で眠りに落ちた。
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