森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
(あぁ、なんだろう、この感じ……嫌な予感しかしないなぁ)

 だけど、リディアの幼なじみで彼女の弟的ポジションであるエディに、拒否なんて選択肢はない。求められているのは、承諾だけなのである。

 エディはふぅと、諦めのため息を吐いた。

「いいことって?」

「エディが私の恋人になればいいのよ」

「リディア。きみは、ロスティの使者に、恋人はいませんって言ったんだろ?」

「言ったけど……本当はいましたっていうことにするの」

「無理があると思うけど」

「ええ? なんで? なにも、本当の恋人になってとは言わないわ。大使館で行われる顔合わせの時だけ、恋人のふりをしてくれたらいいの。ね? 名案でしょう?」
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