森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「名案でしょうって……」

 エディは開いた口が塞がらなかった。
 だって、色々無理がある。

「相手は軍事大国ロスティの人なんだよ? もしも嘘がバレたら、規律違反だとか言われて処罰されそうじゃないか」

「会うのは、ディンビエの首都にあるロスティの大使館よ? ディンビエの中にあるのだから、ディンビエの法に則るべきだわ」

「いや、大使館の敷地内はロスティの領地みたいなものだから。ディンビエではなく、ロスティの法律が適用されるからね……?」

 エディは、哀れみの目でリディアを見た。その顔には、こいつは何を言っているのだろうと書いてあるようだ。

(世界中を旅して美男子を探すのが夢のくせに、無知すぎやしないか……? リディアを一人で旅立たせるのは危険かもしれないな)
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