森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
(ぐぬぬ……ここでジョージ様の機嫌を損ねるわけにはいかない。休日を潰してしまったのは確かに僕たちのせいなわけだし。抱っこくらいで誠意になるのならば、安いものじゃないか⁉︎ 安いよね? そうだと言ってよ、僕! だってさ、ほら、用件はまだ一つも言えてないからね⁉︎)

(いやいやいや。待ってよ、僕。抱っこだよ? しかも、人前で。前はさ、二人きりだったし、ソファの背もたれ越しだったよ? まだ二回目なのに、こんな情緒も何もない場面でやっちゃっていいわけ?)

 混乱するあまり、内なるエディは分裂した。

 彼女の脳内では、二人になったエディがあれこれ主張している。

(いや、二回目だからだよ! 一回目より貴重さはないでしょ?)

(何言ってるの⁉︎ 一回目も二回目も大事に決まってる! キスだって、ファースト、セカンド、サードって大事にするんだから!)

(え、そうなの?)

(そうなんです!)
< 211 / 390 >

この作品をシェア

pagetop