森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 懐かしい呼び名に、つい唇が尖る。

 ムッとするエディに、リディアはケラケラとわざとらしいくらい明るく笑った。

「あなた、恋する乙女って顔をしているわ」

「泣き腫らしているのに?」

「彼のことが、好きなのでしょう? 魔獣の恋は一途なのに、どうして泣くようなことがあるの?」

「だって……僕なんかに、ロキースは勿体ないだろ」

「ねぇ、それってその人に失礼じゃない?」

「……失礼?」

「だって、そうでしょう? 魔獣から獣人になるには、たくさんの制約がある。それでもエディが良い、そばに居たいって、獣人になったのよ? ただ、あなたが好きっていう、その気持ちだけで。そんなに純粋な気持ちを、あなたは『僕なんか』なんて言って。もう、ダメよ、まるでダメ! あなたの大好きなお伽噺、もう一度ちゃんと読み直した方が良いわ。お姫様は、王子様の求愛を断ったりしない。何にも考えずに、ただ、その胸に飛び込めば良いの」
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