森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 つまり、獣人に見染められ、両思いになれば、ロスティでお偉いさんの嫁(玉の輿)になれるということなのだろう。

 エディはチラリと、斜め左のソファを見た。

 ツンと尖った耳と太くて長いモフモフの尻尾が生えた山猫男の膝の上で、リディアが頬を赤らめながらチラチラと男を見上げている。

 そりゃあそうだろう。

 あまり見ない銀灰色(シルバーグレー)の髪は神秘的で、肌は抜けるように白い。トルトルニアではノッポの部類に入るリディアを包み込むほどその背は高く、意地悪そうな切れ長の目は、彼女が見上げるたびに甘く煮詰めたように潤む。

(僕の顔が好きだと言っていたくせに……あっさり鞍替えするなよ、ばかリディア)

 エディはリディアの態度が、ほんのちょっとばかり不満だった。

 だって、会うたびに「好みなのに、女の子なんて……」とため息を吐かれていたのである。
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