はじめてのカレカノ
「べ、別にそんなんじゃないし。久しぶりに聞いた名前だから栞を届けてくれた時のことを思い出しただけだもん」
「ふぅ~ん。それでも結月にしては進歩だね」
「なによ、進歩って!!」
そう言いながらも私はバスケ部のコートを眺めていた。
ここからは遠いし天井から下がっているバレー部とバスケ部を仕切っている緑色のネットも邪魔してて、どの人が高槻先輩か分からない。本当にあそこにいるの?
「ゆづーきー、どこを見ているんですかぁ」
「どこも見てないもん!もう帰ろう」