平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「誰か知り合いに似ているんですか?」

「いいえ。そういうんじゃないんですけど」

なんとなくの感覚だったので、説明しがたい。そうしている間にも、少年の姿は人混みに紛れて見えなくなってしまった。

線の細さを残した、目鼻立ちの整った少年だったように思えた。

それなのに、着ている服は古着の軽装で――。

その時、人混みに流されそうになったリズの手を、ジェドが取った。さりげなく自分の方へとかばう。

「これから村長の家へ行く」

腰を抱かれて、さぁと促されリズはどきまぎした。

それでも叫び声を上げなかったのは、以前恋人役でエスコートされて経験があったせいだろうか?

「役場ではなく?」

緊張しながら普段を意識して声を出したら、ジェドにあきれた目を寄越された。

「秘密の調査だと言っただろう。村人はうちに依頼されたことを知らない」

「え。……あ」

リズは、遅れて気付く。

亡霊とやらの正体が、白獣に関わるものなのかどうか。確かだと判断できるまで現地に獣騎士団を投入しない。

「僕たちが役場に行って、堂々と『依頼を受けた獣騎士団です』と名乗るわけにもいきませんから」

付いてくるコーマックが、優しく補足した。

手紙に添えてあった小さな地図を片手に、村長の自宅に向かった。扉をノックしてすぐ、出てきた小さな老人が目を見開いた。

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