光を掴んだその先に。




パクっ、またパクっ。

もう1度パクっ。


え、普通に目の前でアイス食べてる人なんですけど。

…なんか私も食べたくなってきた。



「那岐、…私も食べたい」


「お前にはまだ早い」



え、早いってなに…?
私だって毎日のように食べてるのに。

それにわざと自慢するようにされてるとしか思えない…。


そんなに怒ってるの…?



「私も食べるっ!一口くらい良いじゃんっ!ケチっ!」



そんな私へと、那岐は笑った。

まるでずっとそんなものを待ちわびていたかのように。


そしてスプーンですくって差し出されるかと思いきや。

またパクっと自分の口へ運んでしまうから。



「もうっ!なんでそんないじわ───…っ、!」



意地悪するの、とは言えなかった。


後頭部を引き寄せられ、ひんやりした唇が合わさって。

バニラ風味のものに包み込まれてしまえば大人しくならざるを得ない。



「んっ…っ!んんっ、ぁ…」



それは初めての感覚だった。

微かに開いた隙間から流し入れるように舌とアイスが入ってくる。


絡めとって、ふたりで味わうように。


………あ。


これ、この感じ。

なんか……なにかを思い出せそう。



「んんっ…っ、な…ぎ…っ、」



こんなに激しいものじゃなかった。

それはすごく可愛くて、ちゅーちゅーとストローを吸う感覚に近かったそれ。


そのときも今とおんなじ味がした。



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