天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「山崎!!!返ってこい!!!!!」


三塁ランナー 中村くんホームイン。

二塁ランナー 龍ちゃんもホームベースを踏んですぐさま・・

一塁ランナー 山崎くんに向かって、
腕をグルグル振る・・!!



<・・・・・・・・>
<・・・・・・・・>


相手キャッチャーの古田君は、
呆然と仁王立ちしたまま・・

その後方でベースカバーに回っていた川崎君は・・膝に手をついて涙を流す。



一塁ランナー 山崎くんを迎え入れて、
ランナーに出ていた3人が駆け出す。

ベンチメンバーも同時に飛び出す。


二塁を回って三塁に行きかけていた、安堵の表情を見せる今日のヒーローの元へ・・

みんなが雄叫びを上げながら走っていった!!



【8×―7】

走者一掃、
再逆転サヨナラタイムリーヒッ・・!



「“紙一重”とはこの事です。

同点の二塁ランナー生還阻止の為に、

外野手が前進守備を敷いてくれていたおかげで打球がぽとりと落ちましたが、

享令高校 外野手の守備力も考慮すると・・

定位置だったら恐らくスーパーファインプレイで捕られていたでしょう。

決して褒められるバッティングではありません。」


「○◆※※■△~。」


「・・・筒井さん。

[何こんな時に冷静に真面目な分析してるんだよ変態]

と仰りたいのなら、
泣き止んでから仰ってください。」









《8―7をもちまして、
青愛学園のサヨナラ勝利となります。

互いの健闘を讃え合って、礼!!》


「「「ありがとうございました!!」」」
「「「・・押・・忍・・・」」」



みんなに揉みくちゃにされて、

着崩れたユニフォームを直す今日のヒーローが逆サイドの端に立つ。


いつものようにキャプテン中村くんを端にして一列に並んだみんなが、

大声で青愛学園 校歌を歌い終わって・・


ようやく“記録員”もグラウンドに飛び出せるようになる!!



「立浪くん!!!!」



「・・・・・龍、今日だけいいか?」


「しょうがねぇから、
見なかった事にしてやるよ。」



“おかえり”  “ただいま”


龍ちゃんやみんなとハイタッチを交わした後、その胸に飛び込んだ!!
























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