天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~



教頭 杉下先生
*******************************************



“ジャイアントキリング”
サッカー界でもよく使われる言葉。


明らかに格上の相手から、
大方の予想を覆して勝利をもぎ取る、

いわゆる“大番狂わせ”を意味する表現。


立浪君を送り届けた後・・

マネージャー諸君、
我が学園吹奏楽部の諸君、

皆で見守ったジャイアントキリングの瞬間。


まともに会話できなくなるほどの嗚咽を漏らしたアリサさんと南淵さんからの抱擁を受けて、


皆で万歳三唱した後・・・



「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」


お疲れのところだったけど・・
キャプテンの中村君と2人で、

Hブロックの4回戦が行われていた球場へとやって来た。




「・・・強い・・・・・。」


「うむむ・・・!」



《12―0をもちまして、中京大 中部高校の5回コールドゲームとします。礼!》


私学4強と呼ばれている享令高校へジャイアントキリングを成し遂げたが、

ここまで来たら我が学園は、このジャイアントキリングを成し続けなければならない。


我が学園野球部員の皆、
誰もが“最強”と讃え警戒する、


私学4強 絶対王者【中京大 中部】


噂に聞いていたとおり・・
その強さを実感させられた。


シード校の彼らは3回戦からの登場だったが、これで2試合連続の5回コールドゲーム。

あっという間に試合が終わってしまった。


< 230 / 399 >

この作品をシェア

pagetop