天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「よっしゃー!頼むぞ福留――!!」


前日の脳しんとうの影響を感じさせない、声出し隊長が今日も元気に檄を飛ばしながら・・


1回表、薩摩男子 切り込み隊長が、
まずは上原君と相対する・・!




<・・・・・・・・。>


「チェスト・・・・なん!!?」

《ストライク!バッターアウト!》


福留くん・・・空振り三振。



《ストライク!バッターアウト!》

続く2番 荒木くん・・空振り三振。




「・・・・・・・・・・・。」
<・・・・・・・・・・。>


「「「「・・・・。」」」」」


《ストライク!
バッターアウト!チェンジ!》


3番 龍ちゃん・・空振り三振。


これで初回は【3者連続 空振り三振】


涼しい顔をしながら・・
颯爽と上原君がマウンドを降りた。



「享令の川崎も、南邦の川尻・福原も強敵だったけど・・。」


「・・・・・・・。」


「あいつ・・・やべぇな。」


ベンチに戻ってグローブをはめる龍ちゃんが、一言も言い訳をしないで、

素直に負けを認める・・。


“次は捉える”という展望も言ってこないという事は、

恐らく・・相性とか関係無く・・
文句の付け所がない・・好敵手・・!


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