35cmの音
夢も未来も大切なものも家族も
もう、何もかも捨てたかった。

それなのに、

イヤホンで耳を塞ぎ
フードを被って音を遮っても
キャップで視界を狭めても

この雑音も
くだらない世界も
俺の前から消えてはくれなかった。


そんな音ばかりが頭に響いては、
本当の自分が搔き消されていく。
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