35cmの音
「...それってあれですよね。」

俺の左手薬指を指差す。

「あーこれ?ダセーよな!はは
つーかなんで知ってんだよ!笑」

ミイナの誕生石の指輪

「...前に今日は美稲の誕生日パーリー!って
それぞれが渡したプレゼントの内容が
日記に書いてあったの読んだので。」

LEOは笑わなかった

「はー?何それ」

「IMUさんってあの美容師の
イサムさんだったんですね。」

俺の事を馬鹿になんてしなかった。

「俺の事まで知ってんだね」

サナちゃんが初めて
やってきた日の事を思い出した

「貴方には感謝しかないですよ」

真面目で洒落っけもなくてね。笑

「なにもしてませんから俺は。」

すごく大人しい女の子だったな。

「IMUさん意外と純粋なんですね」

俺が根掘り葉掘り聞きにきたのに

「余計なお世話」

なんでLEOのペースに巻き込まれてんだ

「一途でカッコイイっす。」

こいつには本音で話せる

「...ヘタレなだけだよ」

たった18歳の若造なのに...

「純粋に歳は関係ないですよ。」

ただならぬオーラがあって、

「...アイツに言うなよ?」

こいつの優しさや雰囲気に触れると

「こっちの台詞です」

泣きそうになる。

「早くしねーと他の奴に盗られんぞ」

「こっちの台詞です」

涙が出そうになる。

「....俺は、もう盗られた。」

本音を言いたくなる

「大丈夫です。今ならまだ間に合います」

一言一言が胸に響く

「だといいな。」
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